航空管制官
空につくられた見えない道、飛行ルートを、航空機が安全に飛行できるように空の交通整理をする、それが航空管制官の仕事です。レーダーや無線を使って、地上からパイロットにいろいろな情報や指示を送ります。空港管制と航空路管制に大きく分けられますが、空港管制の仕事は空港内を監視することと、離着陸する航空機に指示すること。そのほか、空港ちかくにいる航空機に進入・出発の指示を出す進入管制、着陸機に対して高度とコースを指示し、誘導する着陸誘導管制なども仕事のうちです。この航空路管制とは、フライトプランをチェックし、日本列島周辺の空を監視して交通整理をおこない、事故がおきないようにすることです。
航空管制官には、基礎となる航空知識はもちろん、パイロットと会話するための英語力、気象の知識や通信の技術も必要。デリケートな乗り物である飛行機が相手のため、一瞬の判断ミスやまちがった指示が大事故につながります。よって、高い集中力・的確な判断力・即座の実行力が求められます。それらを保つため、1時間ほど勤務したあと緊張のほぐれる場所に移るなどして、交替制で勤務にあたります。空港は24時間体制・年中無休ですし、各地の空港と4ヶ所ある航空交通管制部に勤務するため、全国的な転勤が少なくありません。 さらに、最新の管制方式や通信機器に対応していくため、年に1回の定期試験があります。そうとうな激務といえますが、転職する人はすくないようです。
航空管制は国の仕事なので、日本の航空管制官はみんな国家公務員です。国家公務員の給与規定に従って、初任給は、航空保安大学の学生で15万6000円、航空管制官は19万2000円くらい。現場に配属されると、これに特殊勤務手当などがプラスされます。
航空管制官になるには2つの方法があります。1つは国土交通省の航空保安大学・航空管制科に進学するルート。高卒以上21歳未満ならだれでも受験できますが、どの年も高倍率が伝えられる狭き門。しかし、国家公務員として給料をもらいながら、2年間の時間を体系的な学習に充てられるのは魅力的です。また、もう1つは国家試験である航空管制官採用試験に合格するルート。受験資格は21歳以上29歳未満ですが、視力・聴力などの身体条件も試験内容も厳しく、合格率は1%程度。合格者は、航空保安大学で6ヶ月間の研修を受け、実地訓練を重ねて、ようやく任命されます。最近は、国内外を問わず航空機を利用する旅行客が増えて、新空港の建設や路線の拡大が促進されつつあります。そのため、空の交通はどんどん過密化してきています。空の安全と航空機の効率的な運航のため、航空管制官の業務ははますます重要視されていくでしょう。